通信高校生が書く、6月、梅雨前の散文詩。

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題名:夜に聞こえる雨の音。

疲れ切った寝不足がちな僕が、雨音に心を奪われ、気づけば深い眠りに落ちていた。

しとしとと降る雨、夜の静寂は小粒の雨音に奪われて、僕の心に、小さな水たまりができた。

透き通った綺麗な水たまりは、僕の乾いた心を癒した。心が揺れ、体は眠気で包まれた。僕は部屋の窓から感じる雨音がどんどん遠く感じた。なのに、どうしてか、その音が近くに感じた。雨音の奥から聞こえるカエルの鳴き声が、地球の鼓動のように、リズムを刻んで心をゆっくり振動させた。僕の意識は宇宙を向いて、静かな呼吸と共に、癒されていった。

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題名:月夜に照らされるキミ

二階建てのアパートの一室、キミは透き通った夜空の下、ゆらりと揺れるシースルーのカーテンの横で、静かに寝る。

君の横顔を見つめる。


君は銀色のお月様の光に横顔が照らされて、気持ちよさそうに寝息を吐く。


君の一呼吸は、夜の静寂に包まれ、窓から流れる細い風に散る。

僕の、静かなこの想いは、君に届きそうで届かない。

君の美しい寝顔をずっとみていたい。この時がずっと続けばいいのに。

もっと近くに君を感じたい。そう伸ばした右手は、ゆっくりと寝返りを打った君が、空でとめた。


君はなにも知らない。

キミの長くてクリクリした睫毛と、肩まで伸ばした髪の毛がとても美しい。

髪の毛先が、風に揺られて、小さな弧を描いた。 君の甘い匂いが、僕の鼻腔をくすぐる。君のバラのような、上品な香り、きっと世界で僕だけが今のキミを知っている。

キミは、今どんな夢を見ているんだろう。

僕がみたい夢があるとすれば、それは、現実の今だ。

秒針が時計を噛む1秒1秒が、君との別れをつげるようで、でもそれ以上に君の寝顔を見るのが嬉しくて、非現実と、現実が、幻想的に入り混じったこの時間は、僕のパレットで、夢のような美しさになって記憶される。

ゆっくり、しずかに胸を動かす君は、今はどんな気持ちなんだろう。

いつもクールな君は、僕をどう思っているんだろう。

静かな静かな夜は、君の知らない、君と僕だけの世界だった。

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