天気の子の感想

この作品のテーマは家出少女、少年だと思う。その動機は結局、自分の使命からの逃亡というのが伝わってきた。家庭環境が荒れていれば、自由を求めて都会に出て、異性を求めるのは自然なことだった。無力で非力な未成年が闇と関わるというのはとても恐ろしい。「無自覚のうちに犯罪に巻き込まれる」と学校で口酸っぱく教師が口にすること言葉は、こういうことを言っていたのだと今気がついた。僕らが健全に、するべきことをして生活できている今はとても感謝するべきことだと、恵まれない生活をピックアップしたこの作品から学んだ。晴れ女のひなは、自分でも知らないうちに自分では正しい使い道がわからないほど巨大な力を手にしてしまった。彼女と出会う主人公もまた未熟であった。途中の愛にできることはまだあるかいの挿入歌の意味は、未熟で非力な未成年でも、愛という力があれば、人を動かし、成長させるというメッセージだと思う。人は感情の高ぶりを原動力に日々の学業、仕事の活力を手にすることができる。喜怒哀楽、きっと。愛はそれのどれよりも他人の心を揺り動かす。怒りに身を任せた復讐心よりも、悲しみに明け暮れた暗い生活よりも、ゲームの楽しみよりも、だれかを愛し、無力ながらも全力を尽くす姿が美しい。努力を重ね、何かを成し遂げることはそれは素晴らしいことだが、正しい努力の仕方を知らない、土俵にすら立ててない子供達は、その喜びを知れない。喜びの強さが、環境と少なからず関わっているんだ。

タイトルとURLをコピーしました